空木岳(2863.7m)~南駒ヶ岳(2841m)

池山登山道~空木平避難小屋
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2011.11/2(水)~3(木) 2名
避難小屋 

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昨年の常念で山にハマって今年、毎週の様に狂って登っている従兄のUから誘われて
空木岳への計画を貰う。
木曽側から登るばっかしと思っていたが駒ヶ根からの登山道を利用して
避難小屋泊まりで、南駒ケ岳までピストンする計画だった。
天気が少し心配だし、紅葉も遅いだろうが名残の色を期待しての山行となった。
中央アルプスの本格的登山は初めてなのでウキウキだ。

11/2(水)

初日は池山林道駐車場(1270m)から空木平避難小屋(2600m)までの高低差1330mの道程で
時間にして6時間近い登りとなるが避難小屋まで…という安心感からか多治見の待ち合わせを
朝の6時とし、高速を駒ヶ根で下り駐車場へは7時45分着だった

車が4台ほど停まっている。
早々に準備をして500m程林道を戻った所の、菅の台から延びて来ている登山道から出発だ。

(登山道の案内は 駒峰山岳会
勇んで登り始めるが最初から結構急登で苦しい!直ぐに汗が滲み出る。気温も高い!
三本木地蔵を過ぎると更に急になるが、程なくして林道終点の駐車場に到着だ。
本来ならここまで車道が伸びているのだが現在は崩壊の為手前の駐車場止まりだ。

ここから本格的な登山道になる。入り口には木曽殿山荘の案内看板があるが
山荘まで7.2㎞と書かれてある。結構時間がかかりそうだ。
山肌を大きく巻きながらの登山道は、なだらかで紅葉を彩った葉が落ちて
絨毯の様に敷き詰められフワフワで歩き易く楽しい。
篭ヶ沢の岩窟の案内看板には1390mとある。それぞれのポイントにしっかりした案内看板があり
迷う事は無さそうだ。
やがてタカウチ場があり直ぐに池山への急登とピークを避けてトラバースの登山道とに分岐する。
ここは迷わずトラバースする。
登山口からは広葉樹林で落ち葉が一杯だったが、この辺りはカラマツの針葉樹林帯で
黄色に染まっている。やがてカンバの木が広がり明るさを増せば池山小屋の水場に到着だ。
従兄の事前調査によれば、ここの水は美味しいとの事で飲んでみれば、
ん!成程丸くて飲み易く美味しいじゃないか、この先水場が無いため
少々重いが其々ザックに詰め込み先を急ぐ。
ここからも二手に分岐するが今度は急登の道を選ぶ。
植生が変わり針葉樹林のシラビソとコメツガの林となる。
登りきって尾根に出れば、先ほどの分岐の道と合流する尻無しに到着する。
看板には1970m、10:25とあり、登山口から標高差700m、時間は2:30分かかっている訳だ。
一時間に標高300mが目安だから…まっ、こんなもんか?
池山林道P 登山口 林道終点登山口 池山ピークを覗く カラマツ林を行く 広大なカンバ林
           
      景色の無い針葉樹林帯をぐんぐん登ると
今までの新しい標識とは違った木に板を打ち付けただけの標識に
『マセナギ』と書かれた場所に到着。なぜ此処に道標があるのか
判らない、何のポイントも無い場所だ。そんなこんなで
更に登り詰めるとダケカンバの木がベンチの様に横たわった場所に
出る。ここで少し休憩だ。
池山水場 針葉樹林帯を
           
いよいよココからが池山登山道の核心部になるらしく、地図を広げると
大地獄~小地獄、更には迷い道とある。どんな地獄かいな
と少し期待しながらぐんぐんと進む。
木の階段、それもかなり急だ、そんな道が暫く続くと迷う尾根の
標識が現れる。あれ?今までの急登が地獄かいな?
と意外にあっさり通り過ぎてしまった。
   
マセナギ ベンチ
   
迷い尾根では滑落事故も起きているようで狭い痩せ尾根の連続が続き、北斜面には太田切本谷から
延びるヨナ沢、糸ダル沢、大地獄沢の源頭があり、南には中田切本谷の支流小荒井沢の源頭が伸びており
どちら側も急峻な切れ落ちた谷となっていて落ちれば何処まで落ちるやら?慎重に進む。
途中登山道が崩落して新しい道が付けられている。
なるほど…あっちゃこっちゃ迷いそうな枝道があるわいな!
北斜面の開けた所からは木々の間を覗きこむと駒ケ岳方面がドーンと
連なっている。伊那前岳は目の前だ。
南に北にと目をやりながら行くと
南斜面の少し開けた所にヨナサワの頭がある。
此処で休憩、シャリバテ気味のお腹に詰め込む。
此処は地獄の何丁目?
少し急登を登り詰めると
開けた尾根に出る、ここからは
通称散歩道と言われているらしく
フムフム、平坦な道に納得だ。
散歩道を歩き終え北斜面を
宝剣を覗きながら歩くと
避難小屋への分岐に到着する。
 
迷い尾根は慎重に…伊那前岳~宝剣方面を覗く
     
この北斜面は気温が上がらないのか、真昼間だと言うのに
所々霜柱があったり、ぬかるみが凍って固くなっていたりで寒い!
半袖で歩いて来たが、流石に一枚着足して歩く。
分岐からは小荒井沢の源頭部にあたる空木平に向かう。
低木のカンバの木の中を中を少し下れば立派な避難小屋が見えて来る。
登り始めて6時間、結構距離があり、ちかれたなぁ~
2人して疲労感一杯だ!でも重い荷を担ぎあげた後の至福の刻が
疲れを忘れさせてくれる、これが楽しいから止められないんだよな!
霜柱 分岐
今宵の館へ 広ーい! 綺麗! 窓を覗けば空木岳が
2時到着で早々にビア待夢、
一人、二人と同居人が訪れるが結局我々二名と合計4名でこの広いリビングを使わせて貰いました
使用料は、1000円也
テン場使用料だと思えば安いもんだ。
延々と宴は続き帰りの荷を思いっきり軽くして
眠りに就いたのは7時頃かな?
目覚ましは4時、出発は5時とし、空木山頂での御来光に期待する。

11/3(木)
気分は爽快?天気は…ガク!っだ、未だ暗いが空には星は一つも見えず風が強い、
御来光はダメかな?と思いつつも、必要最小限の荷をザックに詰め込んで
予定通り5時に山頂を目指す。未だ真っ暗だ、
二人とも暗い登山道歩きは余り慣れて居ず、
ヘッドランプの明かりを頼りに慎重にピークを目指す。
何とか手探りで登り詰め 駒峰ヒュッテに着く頃、ようやく空が白みかけて来た。
夜の帳のおりる時も大好きだが、朝を迎える時のモノクロの色の移り変わりも大好きだ。


こうなるとあっという間で、空木山頂に着く頃には明るい朝を迎えていた、が陽は無い!
未だ暗い朝の駒峰ヒュッテ ガスの中の空木岳山頂にて 南駒への稜線
御来光を拝む筈だったが生憎のガスの中、証拠写真を残し赤椰岳(あかなぎ)に向けて稜線歩きだ。
幾つかの岩のピークを左に見ながら木曽側の稜線歩きとなる。空木のピークからホンの10~20m
下れば雲の下に出て、西方面は遠く御嶽山~恵那山、東は鋸~甲斐駒、仙丈、南アルプス、
其々ピークは雲を覆っているがロケーションは開けて見える。
東の眼下には中田切川本渓が、西には伊奈川の源頭の枝沢の奥二又沢が駆け上がってきている。

岩場あり、砂利場ありのもろい花崗岩の山肌をくもり空の中、アップダウンを繰り返し
赤椰岳のピークに辿り着く。
赤椰岳ピーくはやはりガスの中で
ロケーションは無い。
此処までの稜線歩きは晴れれば
きっと素晴らしいんだろうなぁ
と想像しつつの
我慢の漫歩だ。
行く手はガスの中 木曽方面の谷 駒ヶ根方面への谷 赤椰岳ピーク
赤椰岳から南駒への途中、摺鉢窪避難小屋から来られた若者に出会うが、考えてみれば今日は文化の日
祭日だ、それにしては昨日から出会った登山者は数えるほどで紅葉のピーク過ぎれば意外に静かだ。
そんな山が好きだから俺には最高だ。
その若者は本から出て来た様なカッコいい衣服でナカナカのイケメン!
だったが、荷の多さから見て何泊かの縦走の様だった。
お互い雲の中で少し疲れ気味なのか挨拶のみですれ違ってサヨナラだった。
やがて摺鉢窪避難小屋への分岐に来る、俯瞰すれば遠く仙人塚の城ヶ池もしっかり目に留まる
そこから見上げた雪の南駒ヶ岳~空木の写真を紹介しておこう。
右の城ヶ池からの写真は
今年の1月に行った時に立ち寄り
写真に収めたものだが
田切岳に隠れて見えないのが
赤椰岳だ。
南駒と田切岳の間のコルが
擂鉢窪で百閒ナギだ。

今回、仙涯嶺がガスに隠れて
見えないのがとても残念だ。
 
摺鉢窪避難小屋、遠くに城ヶ池 仙人塚(城ヶ池)より望む(本年1月) 
     
分岐から、目の前に聳える南駒を目指すが、どうやらピークは
雲の中らしく見えない。
もろい花崗岩の急登を登り詰めれば南駒ケ岳の頂上に立つ、
が視界は無い。
仙涯嶺~越百、今朝沢方面への分岐となっており
何時か伊奈川からの周遊、縦走をしたいな?と頭で描き
寒く視界の無いピークを後に来た道を引き返す。未だ8:30前だ。
此処までの尾根歩きは、晴れればきっと素晴らしいんだろうな?
そう思いつつ、想像しつつ、時折晴れた合間の写真を撮りながら
駒峰ヒュッテまで帰り着く。
駒峰ヒュッテでは一羽の大きな鳥に出逢い、さ野心に収める。
ヒュッテの入り口は避難小屋として入り口の狭い土間のみ
解放されていた。
 
南駒ケ岳山頂
南駒~空木への稜線歩き(帰路)木曽殿山荘、駒ケ岳方面も少し見えます
   
暗い闇の中を登った空木までの登山道は視界の効く広く歩き易い
道だった。避難小屋に戻り軽く昼食を摂り荷物をまとめれば
計画書通り、12時だ。今から長い下山開始となる訳で
避難小屋に感謝して掃除をして、さぁクリーンハイク下山としますか。
小さなゴミを拾いながら下山するが、何時もそうだがゴミが無い、
登山者のマナーが良いのだろう。本当に何処へ行っても意外に綺麗だ
今回もほとんど拾え無かったが、良い事だな。
小屋から空木を 帰りには宝剣がくっきりと
     
同じ道を帰りながら擦れ違った登山者は二組ほどで一組は日帰り組の様だ。
もう一組は単独登山者で登山口に近い池山小屋の水場で出会った。
今日はこの小屋で一泊するそうだ。
ついでに池山小屋を見学してみるが、広く綺麗で居心地良さそうだが、窓が大きく、それも
ガラス張りで、一人で泊まるにはすこ~しおっかない感がした。

別れて更に下山し、駐車場へは計画書通り4:00到着だ。
宝剣がくっきりと 池山小屋
帰りには、昔懐かしい駒ヶ根のこぶしの湯で
汗を流し、高速で帰ってきました。

今回はちょこっとだけの景色で少し残念!
だけど小屋での宴は最高で山に登って
カロリー増やして?体重増やして?
今度は木曽側からグルリンパコースで登りたいな。
U君、誘ってくれてありがとう、次もよろしく。
 
       


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