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5:30 |
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5:45 |
5:50 |
5:56 |
7:59 |
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小屋番の方に日の出時間を確認していたので、四時半に目を覚まし、シュラフ関係
のみ片付けて水で喉を潤し、三脚片手に丸山に向かった。
寒い!フリース、ジャケット、手袋だが寒い……5:15から三脚を立てて白馬岳
横の果てし無く続く雲海の方向に水平にセットし、神のお出ましを待つ。
徐々に明るくなり、山々の荒々しさが確認出来るようになるとその自然の営みの
神々しさ、美しさ…生きる息吹を与えてくれる。本当に今此処に居て良かった
幸せを独り占めだ
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約1時間の生命の営みを見、感じ、テン場に戻った頃には既に一時間が過ぎており
6時を過ぎていた。今日の行程は杓子平と鑓ヶ岳の縦走で、時間のゆとりは十分あり
鑓温泉のテン場にはゆっくり遊びながらでも15時までには十分だ。
冷え切った身体に、パンとスープで英気を入れ、豆挽きコーヒーを沸かし、
贅沢な時間を思いっきり満喫した頃には、日も上がりテントの影が出来る頃
早く出てオイデ…と暖かな日差しが誘ってくれる。
誘いに身を任せて一気にテン場の撤収を終え、ザックを担いだ頃は7:30を
過ぎていた。
何とも言えない心地よさが、昨日の疲れなど全てを忘れさせてくれていた
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丸山へ登り返し杓子岳に向かうが、丸山からの360度のパノラマがあまりに美しく…30分程夢中で写真を摂る
どれが何で、何が何で…、?地図を出し確かめるが良く解らない、が、感動の景色であることには間違いない
下記の山の名前?間違っていたら御免なさい。全て丸山岳からですよ。 |
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行く手の山 |
立山 |
毛勝三山 |
針ヶ岳 |
旭山 |
白馬岳方面 |
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丸山ではすっかりロケーションにのめり込んでしまい、360度の写真をデジカメで
撮りまくり、剣の美しさと毛勝三山の下の黒部峡谷を覗き見しながら、黒部の廊下を
歩いて居る自分を想像しながら…疲れも感じず軽快に目の前の杓子岳に向けて
ザックを担いだ。
歩きだして後ろを振り返るが…誰も居ない?見える限り前方の
杓子にも鑓方面にも人影は見当たらない。
もしかしてこの泣けるような、晴れた青空の下、この稜線?山々を独り占め?
テン場は寂しかったが、こんな天気の一人歩きは…凄く自慢げだ、
自慢したくなっちゃうなぁ
独り占めの稜線歩きをルンルン気分で歩き、杓子岳の頂上に立った。 |
独り占めした杓子への稜線 |
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頂上へは、陽もすっかり昇り丁度良い体感気温でで爽やかな風を感じる頃、
9時過ぎに到着だ。此処からのパノラマも素晴らしい。
兎に角、本格的なアルプス登山は初めてだ。見る事…感じる事…全て書き留めたい位
感動の連続で楽しい。
ここからのロケーションは少し怖さを覚える安曇野側の岩場が荒々しく印象的である
暖かいスープとクッキーで小腹を満たした後、一人の時を寝転んだりして楽しみ
鑓への岩場の稜線を下った。
『彩かな風に誘われて 私はタンポポの羽になる
すべては風が 知っている すべては風に委ねよう…』 学生時代に好きだったフレーズ |
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杓子岳頂上(2812) |
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白馬岳の切り立った断崖 |
杓子より真下は絶壁(杓子平と大雪渓) |
小蓮華岳〜白馬大池方面 |
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杓子岳から鑓ヶ岳へは下ってから一気に
瓦礫の道をジグザグに登れば直ぐ其処だ。
9月下旬に積もった雪の名残が溶けずに
あった。厳冬の季節はもうすぐそこだ。
鑓ヶ岳登頂10:40…
NHK小さな旅のロケスタッフが3人で登頂
しており、鑓温泉の解体作業のロケの中日で
登ってきたらしい。
登山者の登る役を頼まれまた来た道を少し
下って登り返した。後日、放送を見たが結局
カットされていたようだ。 |
杓子岳から鑓ヶ岳への稜線 |
振り返って見えた美しい杓子岳 |
鑓ヶ岳からのパノラマも素晴らしく、新たに南方のロケーションがしっかり見える
以前冬の訪れの前の10月に登った黒菱辺りもしっかり見える。あの向こうに八方尾根スキー場があるんだ。
その先の唐松岳、鹿島鑓ヶ岳方面は雲海の上の世界だ。
来て良かった。雨の中予報を信じて登って良かった。本当に良かった。
それもほとんど独り占めだ! |
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頂上に立つ |
旭岳 |
白馬〜小蓮華 |
天狗の頭 |
剣岳 |
白い石の鑓ヶ岳 |
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11時になりパノラマ写真を納めた所で、ロケの人達と『また後で』と別れ、鑓ヶ岳を後にした。鑓温泉へは余裕の到着だと
思うので、この好天気の空を満喫しながらゆっくり下山する事にした
15分ほどで天狗山荘方面との分岐となり、ここからはどんどんと目の前に見える大出原に向けてジグザグに下る。
下るに従ってめまぐるしく景色は変化する。白い岩から茶色の岩に… ハイマツの緑から紅葉がかった草花に…
やがて大出原に着くとその紅葉の始まりは見事だった。鑓から40しか経っていないが、ここで昼食とする
このロケーションを独り占めしながらの昼食は格別だ。感謝である。
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一時間ほどゆっくりしただろうか
本当に泣けるような青い空
草花は短い秋を惜しむかのように
赤や黄色に彩を染めて競い合っている
やがてまい落ちる白い花に負けない様
辺り一面を覆い尽くそうと…
やがて白い霧が立ち込め始め
辺りは一層秋を深めた
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立ち上がりザックを担ぎ歩き始める。稜線歩きとはまた違った楽しさがある
草原の開かれた世界からナナカマド等の木々の間を道は伸びていて
ぐっと狭い道幅になる。やがて岩場、鎖場が続き解体された資材にかけられた
ブルーシートが目に飛び込んできた。鑓温泉小屋だ。
ここにも大きな雪渓が残っていた
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解体された資材はシートに包まれて雪の中で次のシーズンを待つものと
ヘリで運ばれ下界で保存されるものとに分けられていた。10人ほどの職人さんが
金づちやらのこぎりやらで作業を行っている。
営業終了の為、テン場はご自由に…水は此処の水道からどうぞ…と言われ無料だ
考えてみれば今回の登山中は白馬のテント代500円のみだ!
早々テントを設営し露天に向かったのは、まだ三時…早すぎる…
作業をする人たちに挨拶し、お構いなしに露天温泉、独り占めだぁ〜
もう最高!
出たり入ったりでつっくりしている間にもう四時過ぎだ
テントに戻りビアー
持ってきて良かった。小屋は営業終了でビールの販売は無かった。 |
木の葉を舞い上がらせ資材を運ぶ |
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テン場から見える烏帽子岩 |
独り占めした露天温泉 |
テントの中から戸隠方面 |
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テン場から見える小蓮華方面を照らす日が落ちる頃、辺りは徐々に暗闇の世界に…
今日の作業を終えた人達は露天で賑やかに疲れを癒している。ビールとワインですっかり良い心地の気分で
迫りくる夜の星たちを想像しながら、天を仰ぐ。
この後皆は食事となり、その機会を狙ってまた独り占めの露天を楽しむ。
テントの近くに何やら動物がいるようでガサガサうごめいている。
翌朝分かったのだが、アライグマが登山者の食べ物を狙って出没しているらしい。
ひょうきんな訪問者だ。
その夜満天の星空を眺め、最高の一時を過ごした。テントの中で寝るのは勿体ない様な星空だ
暫く外で横になるが、やがてどうしようもなく訪れた眠気に負けて、シュラフに潜り込んだ。 |
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