荒川岳(3141m)~赤石岳(3120m)
椹島(1120m)~千枚小屋泊(2500m)~千枚岳(2879.8m))~悪沢岳(3141m)
~中岳(3083.2m)~前岳(3068m)~赤石岳岳(3120m)~椹島
(登山口標高1120m~・登山口~頂上まで標高差2021m)
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2014.7/17(木)前夜泊~20(日)2泊3日    

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 出逢った花や鳥たち


予てから計画していた南アルプス荒川三山、
出張に引っかけて休みが取れる機会があり、少しばかり天気が気になるが計画を立てた。
梅雨の開ける前の山行だ、出張を合わせると4日間家に帰ら無い事になるが
この機会を逃せば次はいつになるやら…
思い切って実行に移す。南アルプス縦走に期待が膨らむ。


7/17(木)前夜泊  
仕事の関係で静岡まで車で出かけて更に東京、国立まで出張、家を朝4:30出発だ。
国立で仕事を終えてとんぼ返りで静岡へ、ここでもう一仕事終えて、いよいよ車を走らせて大井川の奥を目指す。
静岡の街並みはちょいと走れば直ぐに閑散部へ突入だ、グングン走り目的地手前の本川根に到着。
少しばかり観光気分で機関車トーマスの走る大井川鉄道を車越しに観光し、目的の井川奥の畑薙ダムに到着する
朝仕事が早かった事もあり、目的地到着は7:00でまだ薄明るい。


駐車場には10台前後の車が停まっている。
早々仕事の疲れをビールで癒し、独宴の果ては深い眠りに…



18(金) 
翌朝、隣に停まる車に起こされて周りを見渡せばまだ薄暗い、4:00だ、
まだ早いとシュラフに潜り込んでうつらうつらしている間にもどんどん車が駐車している。
そんなこんなで5:00にはすっかり目覚めて周りの雰囲気に溶け込んでいく

やがて大型のバスが一台到着しツアーの登山者らしき人達が降りて、ここから出発する
椹島行のバス停に並び始めていた。出発は8:00だ、まだ3時間近く先なのに…

朝食を簡単に済ませてザックの準備をしていると6人乗りのワゴン車が近くに停まり
早くから準備していた人たちを乗せて出発していた。東海フォレストの車の様だ。
良く判らんが予約してあったらしい。
そうこうしている間に6:00を過ぎてバス停へ…それでもまだ2時間時間を持て余すなぁ…

そんなかんやで6:30を過ぎると管理する東海フォレストのバス到着。
ラッキーな事に、運転手の説明では人の多い場合7:00に一便出してくれるらしい
そんな訳で28人乗りのマイクロをほぼ満席にして7:00丁度に出発
計画より1時間早い行動が出来て先の行程が楽になる。

ガイドを兼ねた気さくな運転手さんに導かれて大井川沿いの荒れた車道を走り
途中から赤石沢沿いに走る。椹島へは8:00到着、
今までの行程の景色とは打って変わってウッディなレストハウスも備えた
大きなリゾート地が出現する。


早々準備をして、期待を膨らませて出発だ、少々天気が悪いのが気にかかるけれどね。
先ずは井川神社に手を合わせて安全祈願
神社横の登山道から二軒小屋へ通ずる車道を歩き
青い滝見橋手前から千枚小屋を目指す。
滝見アリ、吊橋あり、急登ありの出足で
風も無く一気に汗が噴き出る
それにしても最初から急登だ
           
急登を登り鉄塔を見上げて岩頭を下り再度登り詰めれば
千枚小屋まで続く林道を横切り小石下りのベンチへ
ここいらで1580m、450m程稼いだ訳だ
それにしても東海フォレスト管理の
見事な山林がずっと続いている
直径50センチもあるコシアブラの木も初めて見たなぁ
           
小石下りのベンチからはユルユルの腐葉土で柔らかな道となりダラダラと進む
ミズナラ、ダケカンバ、ヒメコマツ、これも初めて見たなぁナナカマドの大木
そんなこんなで清水平に到着、美味しい清水で喉を潤す


清水平からは斜度が上がり根っこの剥きだした場所アリで登り詰めると蕨段の平坦な湿地に出る
段という地名が所々にあるが山の上のぽっかりした広がった窪みの事らしい。
此処で初めての大休止、標高2073m、12:00、登り始めて3:30だ。
お昼の休憩としお腹を満たす。


エネルギーを充分補給後の登山道を先に進めば西に視界が開けてくる細尾根に…見晴台と描かれた
標識が岩にかけてあるが展望は無い、岩の上まで登って見て始めて視界が広がる…が、赤石方面だと思われる
山は雲に覆われて見えん!この見晴台で再度林道と合流していた。
暫く林道を歩き登山道へ戻る辺りに小馬道跡の説明看板がありそこから暫くは広い登山道が続いていた
木馬道も岩場の急登で終わり少し下れば何やら賑やかだ。団体さんが休憩中のこの場所は駒鳥池、
登山道から少し降りた所にあり閑静な場所で駒鳥の声が聞こえてきそうかなかな?



  見晴台より西を望む              閑静な駒鳥池
                                                       
先に登ればシラビソの原生林を通り抜け、
徐々に花が目に止まるようになり景色が艶やかになる
振り返れば笊が岳方面の山並みも木々の間からチラチラ見え始め、
木道の階段を登り詰めれば
お花畑の中の千枚小屋へ到着だ

キバナノコメノツメ・オオサクラソウ・ニリンソウ・シナノキンバイ
           
手続きを済ませ寝場所を確保して疲れた体を癒す、先ずはこれだね!!

雲に覆われた目の前のロケーションを楽しみながら酔いよい気分になった所で小屋周りを散策
小屋の直ぐ近くまで林道が就いている事もあり、テント場、トイレ、別棟もしっかり整理されていて綺麗だ
小屋周りには花も沢山咲いていて癒しの空間を提供してくれている。
そんでもって、何と云っても、目の前に、これだもの!!!


何処から見ても素晴らしいね

マッタリゆったり景色を楽しみ夕食を頂いて明日に向けての英気を養い
何時しか深い眠りに就きました。
     

19(土)   / 
朝は富士山と共に目覚めです
朝食はお弁当を頂いて早々4:15に小屋を出ます。
今日の行程は、今回の縦走の全山を踏破するハードな道程、どんな山なのか?
期待一杯でいざ!!
少々天気が心配ですが…


           
小屋からは先ずは急登、それでもダケカンバの並木道が露に濡れて清々しくしっとりと爽やかだ
やがて森林限界を越えてハイマツ帯になった所でガレた斜面になり登り詰めれば千枚岳、2879.8m
富士山を見ながら360度ぐるりと見渡せば目の前に赤石岳、そして荒川、遠く北岳方面が見える
が雲が多く今一のロケーションだ

笊が岳~井川方面             赤石岳~荒川 

此処にも沢山の花が咲いていてシャッターが忙しい
今回は山の景色より花畑だね

               
千枚岳からはガレ場を一旦下り、目の前に繋がっている岩場の尾根を丸山に向けて進む
丸山への痩せ尾根
ここの岩場が今回の縦走で最も厳しい所だと聞くが
高度感がある訳でもなく転ばない様に慎重に行けば
何ら問題なく先に進める
途中のお花も随分綺麗だ
ミネウスユキソウ・タカネコウリンカ・ミヤマオダマキ・ミヤマシオガマ

ミヤマムラサキ ・ 岩場を下る ・ 丸山から富士山 ・ 丸山ピーク

丸山は広場の中のピークで360度のロケーションだが残念ながら雨模様、ここで雨具を身に付ける
風もあり然程蒸し暑くも無いが天候に左右されるロケーション、残念。
丸山からは一気に様相が変わり大きな岩稜帯になる、目的のピーク方面さえ間違えなければ
何処を歩いても良さ気だが?ペンキの道標に沿って進めば南アルプス南深部で一番高い山
悪沢岳に到達だ。日本で6番目、南アルプスで3番目に高い山…、南アルプスの山はでかいね!

丸山から小雨の中を荒川に向かう 岩場を越えてガスの中のピークへ…その後一気に雲が切れて山が広がった

この頂上に居る間だけ何故か雲が飛んで行ってロケーションが広がった。
不思議な事に写真を撮り終えた頃にはまた雲の中…
普段の行いのせいかな?たまたまだね。

南アルプス北部、遠く左から仙丈ヶ岳、鋸~甲斐駒ケ岳、北岳~間ノ岳~農鳥岳~広河内岳
更に奥には鳳凰三山…右奥の連なりは奥秩父、金峰山方面かな?
手前左は塩見岳~蝙蝠岳への連なり


甲斐駒ケ岳  ・  北岳  ・  鳳凰三山  ・  富士山 ・ 笊が岳と布引山 ・ 目の前の荒川中岳

この雨の中、そんなこんなでホンの一瞬でも恵まれたロケーションに出逢えたことに…感謝!!

雲に覆われた悪沢岳を後に、目の前の中岳に向かいます
ガレ場を下り広がった尾根を周りにハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、ツガザクラ、キバナシャクナゲ
などを写真に納めながら進めばあっという間に中岳避難小屋だ。
此処で一旦休憩、小屋番さんと南アルプス談義に花を咲かせて楽しい一時でした。
ハクサンイチゲ・チョウノスケソウ  ・イワウメ ・ ツガザクラ ・ アオノツガザクラ ・コイワカガミ

小屋を後にして、なぁんにも見えん山中を彷徨うかのように進み中岳頂上を踏む。さっさと下り
前岳への分岐に差し掛かるが…行くべきかどうしようか?悩み、次回百閒洞~聖を訪れる時に
もう一度荒川三山を踏破だ!と、前岳には行かず荒川小屋を目指す。
ここからはお花畑の中を一気に下るが途中鹿害の防獣柵を取り付けている方たち6名ほどに出逢う。
惜しまぬ努力に感謝し柵を越えて荒川小屋へ…途中の花畑は見事でした。
写真はハクサンチドリとツガザクラ
荒川小屋では外でドリップコーヒーを500円で頂き
英気を付けて再スタートだ
此処まで一気に500m以上下ったって事は
赤石岳に向けて500mの登り返しがあるって事だ
先が思いやられるが行くしかない訳で…
小屋近くの花たち
スイカズラ・ヨツバシオガマ・
ハクサンシャクナゲ・ツマトリソウ
荒川小屋
晴れれば後ろに荒川が見える
           
最初の急登、林間をグングン登り詰めれば雪渓のトラバース、難なくクリアし林間を抜ければ
広いトラバース道だが周りは見えず、広いかどうかも解らん…
そうこう歩いていると『ここは大聖寺平です』の標柱に出逢い一安心、
さらに道らしき道を登り、九十九折れになった頃から急登になる
多分、ダマシ平から小赤石岳の肩への岩場か?グングン急な岩場を登る頃またまたガスが晴れ
太陽が…青空が…しかしながら雲の動きは早く変わりやすい空だ。


小赤石の肩まで登り詰め後はトラバース尾根を行くだけ…と云う頃に…ドーン!雷だ
かなり近い所にいらっしゃるようで怖い!それでもつながりが無く暫くは聞こえずおとなしくイラッシャル。
それでも自然と足は早足、小赤石のピークは覚えがないがガスの中写真が残っていた
赤石小屋への下山道に差し掛かりどうしようか悩むが赤石の頂上は踏みたいな?
そんな訳で更に早足でピークを目指し、ピークでは一人芝居で写真に納めすぐ先の避難小屋へ逃げ込む。
先ずは一安心だ


赤石頂上避難小屋では奥さんに淹れて貰ったドリップコーヒーを美味しく頂き
雷が去る間30分程、同じように後から逃げ込んできた二人の若者を交えゆっくりさせて頂きました、
ここに泊まる恩恵の星空は素晴らしいんだろうな?
そんな思いを馳せながら落ち着いた所で下山開始です
分岐まで戻り、後はヒタスラ下るのみ。
                                       
分岐から直ぐにあるお花畑ではクロユリを見つけました

その先森林帯に入り、しっとり濡れた緑が輝く中を
岩場あり、雪渓あり、梯子ありの下山道を登山者と擦れ違いながら
グングン下る
ダケカンバの並木道を登り返せば何にも見えんが富士見平だ
ここから更に林間を下って赤石小屋へ到着。
クロユリ
          
赤石小屋到着は14:30、計画では此処で一泊の予定であったが
今の時間と体力と相談して下山する決心をする。
小屋番さんに椹島到着の時間と宿泊の連絡をお願いして
早々に込み合う赤石小屋を後にした。

ここからの下山は長丁場で3時間位を想定して進む
今回忘れたストックの代わりに井川神社先で仕入れた木棒が
神様のように大助かりだ、ずっと付き合って貰っている。
途中の急坂で幾人かと擦れ違いながらグングン進み
五段階に区切られた案内看板を励みに2/5辺りまで来た所で
本格的な雨だ
ここから傘が大活躍で一気に下山だ。


椹島到着は16:50分、意外に早く到着しました
それにしてもちと疲れましたね。

今日の行程、朝4:15~夕方16:50まで12時間35分歩きっぱなし、
それも標高差2000mを距離にして
20㎞以上歩いたことになる。
自分ながらに良く頑張ったなぁ…褒めてやりたい。


そんなこんなで椹島ロッジで5000円の布団付、風呂付の宿泊代を払い真っ白なふかふかの布団の相部屋へ
8畳に二人、相部屋の若者はここいらにある管理釣り場に来たらしい。
お風呂で汗を流し着替えてレストハウスへ



先ずはビール、最高だね。
でも疲れすぎて余り食欲なく冷奴で済ませてしまいました。
後は椹島を散策してゆったり布団でグースカピーです。


ロッジのある椹島       レストハウスの芝生       目の前の大井川
椹島の芝生広場で寛ぐ
          

20(日)   /  
計画では赤石小屋で目覚める予定だったが椹島での朝を迎える
レストハウスで珈琲を頂き朝一番のバスで駐車場へ…
憎らしいほど晴れている
途中から見上げる聖には雲一つ無い
揺られ揺られて1時間、準備をして7:30に出発した



伊川の風景を写真に納め、本川根から浜松の春野町を経て秋葉ダム~東栄町、更に山を越えて愛知県の大田口
更に稲武~上矢作~岩村、そんなナガ~い山間部の下道で帰って来ました。

今回の山行は天候今一でしたが憧れの荒川(積み残しがありましたが…)赤石岳を
何とか縦走してきました
二日間での縦走にはちと疲れましたね

次回は百閒洞と聖を加えて再チャレンジだ


                         


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