針ノ木岳(2820.6m)

(扇沢~雪渓~針ノ木小屋(2536m)~蓮華岳(2798.6m)~針ノ木岳(2820.6m))
登山口扇沢1433m(登山口から標高差2093m)
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2013.8/24(土)~25(日)    2名 1名

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出逢った花や鳥たち


泊まりで山の楽しさを満喫して貰おうとI君を誘ってテント泊の計画をした
それも雪渓歩きと、一気に楽しさを詰め込んだ計画だ
そんな計画に最近毎週のように出かけているHさんが参加し三人での山行となった
I君はテント泊デビュー、Hさんは相変わらず小屋泊での山行だ。
天気がちと心配だが…まっ何とかなるだろう


8/24(土)  | 
前日飲み会だったので朝4時にI君に迎えに来てもらい何時もの場所でHさんと合流し
今回はHさんの運転で一路扇沢へ高速を走らせる。
豊科から川沿いで真っ直ぐだ、心配していた扇沢駐車場もガラガラで、お盆過ぎればこんなものかな?
ちと拍子抜けだが楽々駐車だ。準備して扇沢ターミナル横の登山道からいざ出発
天気は薄曇り、昨日相当降ったようで道は濡れていて沢は濁流だ。
登山道は直ぐに林道へ、二度ほどそんな合流を繰り返し大きな看板のある場所からいよいよ
針ノ木自然歩道とある登山道へ入る。
少し湿気が多いがそれでも爽やかで気持ちが良い、時々川になった登山道を濡れない様に
花に囲まれて進めばあっという間に大沢小屋だ、途中ぽつりと雨に降られながらの山行だが
小屋に着くや否や大降りに…少し雨宿りをさせて貰う。
小屋番さんから昨日は終日大雨で雷も伴い此処まで来て帰られた方が多かった、と聞く
一日違いだが今日は小降り、高曇りで大丈夫そうだ。
 
小屋での休憩をしていると雨も小降りとなり再び登山道へ
小屋番さんにお礼を言い針ノ木小屋に向けて出発だ
小屋で雨具を着込んだせいもあり蒸し暑く汗が体中に噴き出る
オトギリソウ、オオバキボウシ、ニッコウキスゲ、トリカブトの花が
咲く、やがて雪渓歩きだ
迷った時は
こいのぼりの道標を辿って
今年は雪渓の雪が多い様で1㎞程の道程だ、初めてのI君は6本アイゼンも
もちろん初めてで歩きにくそうだ、自分は湿気も暑さも吹っ飛んで
半袖で気持ちの良い最高の雪渓歩きを満喫する
アイゼンを脱いだ直ぐに沢渡りがあるが増水のせいでナカナカシビアだ
それでも靴に水が入る事無く何とかクリアーし
ここからカラマツソウやダイモンジソウの花に囲まれた岩場の登山道を
グングン登る。I君…大丈夫かね?少々疲れた酔うかね?
細かい休憩を取りながらグングンと頂きを目指す
           
登山道はガレの歩きにくい道から大岩のかまえる道となり、やがて九十九折れの砂地の道に変化する
山並みを仰ぎ見れば北にガスに隠れた新越山荘のある稜線が見え隠れし、左には蓮華岳の影が薄ら、
振り向けば雲に隠れた爺ヶ岳がぼんやりだ。
小屋に着いたら?明日に?どちらにしてもガスが晴れる事を期待して目の前に見えて遠い尾根を目指す。
やがてガスの中から突然尾根が現れ…あらら?針ノ木小屋にあっけなく到着だ
早速受付を済ませ今夜の館の設営だ。ガスは晴れる事無く雨が心配だね
Hさんはそんな心配は他所に小屋泊の手続きを…なんとなく羨ましいね

雪渓からの登山道で出逢った花は
ウサギギク、オオレイジソウ、ヨツバシオガマ、エゾシオガマ、タカネヤハズココ、ミヤマダイコンソウなど等
 
           
           
テント設営後、蓮華岳を目指す、小屋から針ノ木岳と反対の方向だ
見上げれば雲はあるものの何とか遠望も期待できそう
歩き始めは草木に囲まれた結構な急斜面をジグザグに登る、
途中見下ろせば小屋が小さく映る。森林限界まで詰めると
一気に景色が変わり岩屑の登山道となりなだらかな登り斜面が先に続く
遅咲きのコマクサが可憐に咲いていてシャッターを切る
  
           
           
尾根をゆったりと登り詰めればやがて若一王子神社奥宮の祠が祀られており
その先に蓮華岳と記された船窪小屋への分岐標識に出逢う。
その目の前の岩のピークが頂上かな?三角点がある
  
           

蓮華岳より北を望めば左からスバリ岳~赤沢岳~鳴沢岳、新越山荘を経て岩小屋沢岳
種池山荘を経て雲に隠れた爺ヶ岳へ続く稜線
           
雲に覆われていながらそこそこの展望を楽しんだ後、蓮華岳を後にして来た道を下山して
小屋に戻りHさんと別れる。
I君と小屋前で北アルプス南峰の遠望を楽しみながらビア待夢。
この小屋の生は1000円也! でも美味しいぜ
                    

小屋の前の展望 手前の左から北葛岳~(向こうに唐沢岳)~七倉岳~船窪岳
遠く常念~穂高連峰、槍ケ岳も見えました
右は不動岳~烏帽子岳、水晶岳、野口五郎岳方面かな?
 

槍ケ岳
 
遠望を楽しんだ後はテントに戻って夕食待夢、今回は初のテント泊のI君の為に豪華ハンバーグステーキです
話は尽きず例によって例の如く…なんじゃかんじゃお喋りしつつ眠りにつきました
夜、雨がぱらつき目が覚めたのが23時位?
大した雨では無くまた深い眠りについて夢の世界でした。
                       
8/25(日)  | 
 
翌日は5時起きで簡単に食事を済ませ6時に待ち合わせたHさんと針ノ木岳へ向かう
天気は今一の曇り空だ、それでも遠く遠望できる高曇りかな?
無用な荷物はテントにデポしてHさんもザック無しだ。
小屋を回り込んでテン場の上部から針ノ木を目指す、出足は岩場の急登だが登り易い
途中からの遠望は北側のみで南の穂高方面は雲に覆われていて見えない。
目覚めれば外は高曇り、小屋の北からは遠く旭岳~白馬岳、鹿島槍ケ岳と五龍岳を望無ことが出来る
小屋の裏から岩場を登り振り返れば蓮華岳へ続く尾根が流れていた。

針ノ木までは単調な開けたガレ場の道で1時間かからずに頂上だ。昨日の雪渓歩きと急な登山道続きで
かなりへ垂れていたI君も少しは元気を取り戻している様かな?
頂上には他に2人居るだけで静かに展望を満喫した

目の前の立山~剱岳は本当に手が届くようで近くに映る、そしてスバリ岳~鹿島槍へ続く稜線
遠く白馬三山、南は遠望は利かないが高瀬ダムも確認できる。

何と云っても素晴らしかったのは眼下に横たわる黒部川の流川だ。黒部湖が大きく眼下に広がる
立山黒部アルペンルートのロープウエー、大観峰が切り立った斜面にへばりついて腰を据えている光景が
手に取るように見えるのはこの針ノ木岳ならではの光景だろう。

遠く旭岳~白馬岳~白馬鑓ヶ岳~唐松岳~大黒岳~五龍岳~鹿島槍ケ岳(左に伸びる牛首尾根と牛首岳)
手前左からスバリ岳~赤沢岳、鳴沢岳~新越乗越(山荘)~岩小屋沢岳
           

眼下の黒部湖
左から赤牛岳~越中沢岳~(向こうに薬師岳)~鳶山、鷲岳~五色ヶ原~獅子岳~鬼岳、
向こうに国見岳かな?そして手前に龍王岳、浄土山から連なる立山三山、大日岳、剱岳
素晴らしい眺めなのである、飽きないね。
           
剱岳をバックに証拠写真、右に赤沢岳の西に位置する
猫の耳と呼ばれる岩峰がくっきりだ

上の写真は剱岳、立山三山、大日岳、
目の前のスバリ岳
           
アキノキリンソウと
ミヤマホシツツジ

ウメバチソウ
ミネウスユキソウ
ハクサンフウロ
           
少し雲に覆われたロケーションだがアルプスの雄大な展望でお腹一杯になった所で
団体さんのお目見えで賑やかな頂上に…
雲の様子も怪しくなった所で来た道を下山しテントの片付けを済ませて、さぁ帰るかね。
昨日登って来た時よりも遥かに水量は減っていて沢も渡り易く、大沢小屋まで一気だ。
ここで沢沿いの近道を教えて貰い、小屋直ぐ下にある判り難い笹の中を下れば直ぐに開けた登山道となる
ノニガナ、ホタルブクロ、ヒヨドリバナなどが多く咲いていてアサギマダラが幾つか飛び交っていた
           
篭沢に架かる丸太橋を渡り堰堤を2つほど過ぎると車の通れる林道歩きだ
そんな単調な林道を30分ほど歩くと扇沢からの車道に出て来た道を帰る。
何時もの事ながらお昼だと言うのに扇沢は駐車場に入る車で大渋滞だ、今から車停めて黒部まで行っても
とんぼ返りだよねぇ

帰りは何時もの様に薬師の湯で汗を流し、そこで聞いた大町駅前の蕎麦屋さんでお腹を満たして
帰って来ました。

最後にテント泊デビューのI君に感想を聞いた所
テント泊は『苦痛だ』とさ…
そうかよ!!!
                                                                                                                                                                                                             
    
 

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