奥又白池(2470m)~前穂高岳(3090m) (上高地(1500m)~奥又白池~A沢~前穂高岳~岳沢経由~上高地) 登山口上高地1500m~奥又白池まで(970m)前穂まで標高差1590m) |
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2013.10/12(土)~13(日) | 2名 |
三度目の奥又白池だ。 毎年のように好きで行っていたこの地だが、今年の岳人10月号で紹介されて どんなものか?行きたい気持ちに火が付いた 以前から前穂を眺めつつ、何時かここからチャレンジしてみたいな?と思っていたのだが この本のお陰でパソコンから情報も得て、従兄のI君と行く事とした。 結果、冷え込んだ奥又白池の夜には今年始めての降雪があり、不安と期待のA沢だったが 何とかクリア。どんな山行になったやら… |
10/12(土) // |
台風の過ぎた快晴を頭に描き念願だった奥又白池から前穂高のバリエーションルートに向けて 従兄のI君と出かける。連続出張で前日夜9時に帰宅し少々寝不足の四時出発だ 車は命は従兄に預けて行きは殆ど夢心地だ。目が覚めれば梓湖、あっという間の 3時間半のドライブで沢渡第二駐車場へ さすが三連休初日、駐車場内はマンパンで道路脇の集会所?の片隅に案内された。 早速準備をし、観光の若いカップルに声を掛け4人でタクシーで上高地へ まだ早いのか?既に皆出かけた後なのか?駐車の車の割に意外とひっそりしてるじゃないか 歩き始めは7:42、焼岳はくっきり、穂高は少し雲の中?やがて晴れて来るだろう? そんな思いで軽快に何度も訪れている梓川沿いを軽快に行く。 爽やかだ |
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明神館へは8:50、徳沢へは9:30、順調に歩くが天気がおかしい? 快晴の筈が雲が多い始め快晴なら頭上にくっきり見える前穂も目指す奥又白池も見えない状態だ 徳沢でゆったりして新村橋を渡れば賑やかだった登山道も人っ子一人いなくなった マイナーな道だからね? それでも2組のパーティーを追い越して涸沢から下山して来る何組かと挨拶を交しながら進めば 氷壁の原点の地点を過ぎ周りの木々を見渡せば奥又沢沿いに紅葉が綺麗じゃないか その先色は綺麗なのだが何百メートルにわたり木々が前のめりに寝そべっていて 冬の大規模な雪崩の跡だろう?恐ろしくなるくらい広く長い雪崩後だ。 雪の力、威力は凄いな!思い知らされました そうこう歩いて行けばやがてパノラマ分岐に到着10:56分 ここで休憩していよいよ中畠新道で奥又白池を目指します |
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中畠新道の取り付きは何時来ても、こんなとこ? ってな所だが目印は岩盤にあるレリーフだ 両手両足をフルに使いよじ登るように登る 初めてのI君は少々厳しそうだ 途中休憩しながら尾根を登り詰める 右に奥又沢が開けた所から覗けば雪渓が 残っているじゃないか 左の高松ルンゼの岩場を越せば前穂東壁の真下の 広場に到着だ、あらら?雨が降って来たぞい? |
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少々雨宿りして止んだところで池を目指す ⅤⅥのコルへの分岐を過ぎれば直ぐだ。振り返れば常念、蝶槍、蝶ヶ岳の稜線が目の前に広がる またやって来ましたぞ!神秘の奥又白池… なんだこりゃ?着いて見てビックリだ! 静かな湖畔でのテン場を想像していたのに湖畔には4張り、奥にも5張り位は張られていて なんと賑やかな事か?こんなの初めてだ。 仕方なく一番奥の高台にI君とそれぞれ館を設営したのだが、ここがまた思ったより良くて ロケーション抜群だ |
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池越に遠く常念岳から大天井岳が見えます 目の前は茶臼の頭かなぁ? 前穂方面は雲に覆われて明日の楽しみだね テント設営後雨に降られたけれど テントに潜り宴の始まり 2:15到着で宴の始まりは3:30 マッタリ…ゆったり6:30まで語り やがて深い眠りにつきました |
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宴の途中雨の音が微妙に変わって?外を覗けば… 雪だ!今晩から冷え込む予報は当たったが…まさか雪とはねぁ? あすの行程が少し心配だ |
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10/13(日) |
朝、目が覚めればこれだもの! | |||||
昨日と打って変わってのピーカン快晴、御来光を拝みつつ紅葉の中の雪景色を満喫して 朝食を済ませ早々に出立の準備だ、6:48、雪を覆った前穂へのバリエーションルート 二組は正面壁へ向かって行った。クライミングの世界だね 我々は比較的簡単なガレ沢であるA沢を詰めて前穂へ それでも積雪があり慎重にを心掛けて…いざ! 背中に陽を浴びて池の上部を回り込むように踏み跡がついており迷う事は無い登山道を グングン登る、途中から見下ろす池がやはり神秘的で美しい それ程急ではないがI君のスピードが今一だ、聞いて見ると足がつりそうで調子が悪そうだ 昨日の登りでも足をつり少し休憩しながらゆっくり登ったのだが本調子では無さそうだ そんなI君を気遣いながらも尻を叩きつつグングン登りC沢への分岐へ… ここからA沢方面へは踏み跡も雪に埋もれてルートは解らないが、途中正面壁を 早朝チャレンジしたグループが雪と氷に阻まれて断念して引返してこられた 自分たちも少々心配になるがその方にルートをしっかり教えて貰い迷う事無く行けそうだ。 広いガレのA沢左岸側を落石に注意して登れば一気に幅が狭くなり斜度も急になる が、まだ足場はしっかりしており不安は無い 途中、獣の足跡を見つけ恐れるが何もいない様だ、やがてルートは更に急になり手を広げれば 届きそうな幅のゴルジュになり足場も石屑が崩れそうで落石注意だ。 真ん中にドーンとある大岩を越し急なガレ場を登り詰めるとハーケンの打たれた岩に出て その先が踏み替え地点だ。 踏み替え地点から上部は真っ直ぐにガレ沢が伸びていてA沢のコルに繋がっている 下を覗けばこれまた真っ直ぐに落ち込んでいてC沢に繋がっている様だ 雪と氷の世界で落ちれば真っ逆さまだろう 踏み替え地点からA沢の左岸にて休憩を取るが、ここで大きな落石が襲い、危うく当たりそうになるが I君のとっさの叫びで何とか石を避けられた…慎重さと落石に注意だ |
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更に急なガレ場を落石に注意しながら二人で交互に10m程づつ登りながら 一気にコルまで… 気温が低く雪が積もったせいで意外に足場が固く、 所々のガレ場に苦労もしたが比較的簡単に登り詰めることが出来た それでもバリエーションルート!コルに立った時の安心感、達成感は一入! 思わず二人で叫んでしまった。 |
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A沢のコルから目の前の岩肌を回り込んで登り詰めると明神岳からの稜線に出て 一気に展望が広がり素晴らしい景色だ 真ん前に奥穂~西穂への稜線が流れてその先に焼岳、更に乗鞍、御岳が展望できる もちろん明神岳への稜線もくっきりだ 前穂高に向けて雪で覆われた岩場の中を、コースを手探り状態で詰めながら行けば東壁の真上に出て 岩場の隙間から覗き込めば真っ直ぐ切り立っていて絶壁で恐れおののく それでも奥又白池を写真に納め前穂を目指す その先前穂頂上手前の分岐の標柱が確認出来、目指せば直ぐに頂上だ 頂上到着、10:00、奥又白池から3時間15分、そんなもんかな? 頂上は今までの静けさとは打って変わって、連休を利用した登山者が大勢で賑やかだ |
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展望を写真に納め早々に下山だ 雪の付いた岩を下るのはなかなか厳しく怖い、滑らない様に慎重に多くの人と すれ違いながら紀美子平へ 10分程休憩しピーカンの重太郎新道を一気に下る 足が心配だったI君も何とか持ち直したようで快調に飛ばしている |
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今年二度目の重太郎新道だが、ホントにキツイ! 前回は雨で何も見えなかったが今回は紅葉の岳沢パノラマがくっきりだ 景色を満喫しつつ紅葉を目で追いながら、鎖場、梯子をグングン下り 岳沢小屋へは13:00到着、紀美子平から約二時間、急な下りを終えました くだりの途中A沢のコルを歩く二人連れが見えて、一緒のコースかな? |
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小屋でトイレを拝借し帰路を急ぐ 小屋からの登山道は石畳みや整備された道で歩き易い 途中休憩する事無く風穴で立ち止まっただけで一気に下山だ 雑踏の上高地へは14:30、小屋から1時間半と早かった 観光客に溶け込みながら梓川沿いを河童橋まで下り タクシー乗り場に来てみれば長蛇の列 バス待ちはターミナルから河童橋の車道まで繋がっている サスガ三連休だ |
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タクシー待ちに並んで40分、やっと乗れて沢渡へ 温泉はI君御用達の奈川の『ウッディ・もっく』…これがまたいいお湯でのんびり汗を流して帰りました 今回の奥又白池は何と云ってもA沢を詰めて前穂制覇!なかなか誰でも行けるコースでは無く 達成感はなかなかのものです。 次回はⅤⅥのコルにチャレンジだね |
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