赤兎山(1628.7m)
加越国境
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2011.10/20(木) 日帰り 2名

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先週の妙高~火打に引き続き快晴の紅葉漫歩を求めてH氏と出かけた。
岳人の秋山紹介に掲載されていた加賀の白山の展望が良い赤兎山に向かった。
果たしてロケーションはどんなだろうか
前回に次いで期待一杯だ

10/20(木)

赤兎山は福井、石川の県境、加越国境に跨って緩やかに聳える山で、白山の展望が良く、杉峠から延びる
小原地区の私有地林道にある登山道はブナの群生地で、越前禅定道であり緩い登山道で手頃に登れる山。
なおかつ紅葉の美しさでも知られており期待一杯で多治見を5時に待ち合わせて高速を走り、白鳥で下りる。
思いがけない(滝雲)が目の前に現れ自然の織り成す神秘の光景に目を奪われる。
九頭竜湖を過ぎ大野市~勝山へ…小原地区はまばらに民家が点在し秘境を感じさせる。
小原林道入り口にはゲートがあり管理人が立って居て有料300円を徴収している
全てこの先私有地と書いてあった。ビックリするほど広大な私有地だ。

此処からの林道は最初に杉の林を超えると全てが広葉落葉樹林帯の様で既に紅葉が目を潤してくれる
やがて登山道のある駐車場に到着する。30台位のスペースに7台停まっている。8時着だ。

天気は上々、気分も軽やかで、早々に登り始めると出足から紅葉のトンネルでウキウキである。
駐車場の標高は1140m、頂上1628.7mなんで標高差488.7mと至って簡単なハイキング気分で登れる山だ。

小沢筋沿いに登山道がありその沢を三回ほど右に左にと横切れば小原峠に到着する。
そこには丁度、大長山との分岐があり
赤兎山は右方向へ通じている。真っ直ぐの道もあり少しだけ足を延ばして見ると
白山の展望が目の前だ。石物の祭られた祠もあり越前禅常道の立て看板がある。
文献によれば
越前禅定道は平泉寺の背後から白山への登拝道がのびていて、
その全長は30kmとも40kmとも言われています。
その道のりは、平泉寺から各宗教施設を通って、白山の方向にほぼまっすぐに向かっています。
このルートは白山を開山した泰澄大師が最初に切り開いた道として知られており、天正2年(1574年)に
平泉寺が一向一揆によって焼かれるまでのおよそ800年間、
平泉寺僧を初め諸国の霊山を巡る修験者たちにより利用されていました。
とあった。

此処からはブナの幹が太く立派になり紅葉も一段と彩鮮やかになるのだが、時期的に少し遅かったようで
少し枯れ気味かな?と思うがそれでも充分満足だ。
写真に収めながらゆっくり登れば大舟山からの登山道と合流し、そこから樹木が無くなり
笹原の続く稜線歩きとなり頂上に到達する。
頂上からのロケーションは天気も手伝って素晴らしい360度の大パノラマだ。

出足からの紅葉 小原峠 ブナの紅葉 頂上真近 頂上だ
頂上から東方面のパノラマ、左から大長山、白山~別山~三ノ峰~二ノ峰~一ノ峰
南方面、左に少し見える毘沙門岳?、中央に荒島岳
平日にも関わらず4組のパーティと出合う。写真を撮って早々に避難小屋方面へ池塘と紅葉を見に
向かうが湿地帯だけあって所々ぬかるんでいる。そんな所には木道が整備されていて有難いのだが
擦れ違いに狭く泥濘にハマってしまうのが難点だ。
避難小屋は新しく中も綺麗で、星の綺麗な冬の夜に泊まりで来てみたいと思わせる。

避難小屋から少し先には木の板が置かれただけのベンチがあり、此処からの白山展望は
目前で圧倒されるほど素晴らしい!
眼下には越前禅常道沿いに広がる紅葉が目に映える。
三ノ峰に繋がる杉峠も、あの辺りかな?と、確認できる。兎に角今此処に居る自分が嬉しくなるのだ。


金沢から毎年来て居ると言う方は、紅葉の最盛期は過ぎたな、と少し残念そうだったが
我々には充分な光景だ。

暫く写真を撮り、少し早いがお昼ご飯を食べ、一時間ほどゆっくりして下山開始するが
時間は未だ昼前だ。


池塘 木道の登山道 避難小屋 谷筋の紅葉 遠く野伏岳
 
左から薬師山~七倉山~白山(大汝峰~御前峰)~中央に別山~三ノ峰~二ノ峰~一ノ峰~銚子ヶ岳
右手前に願教寺山~よも太郎山~薙刀山~野伏岳(写真では見えない)へと続く山々
薬師山~七倉山~白山(大汝峰~御前峰)
別山~三ノ峰~二ノ峰~一ノ峰~銚子ヶ岳
帰りは来た道を帰るのだが、平日だというのにドンドン登って来る登山者と擦れ違い
人気の高さに驚かされる。帰る頃の白山には雲がかかり、やはり秋のこの時期のロケーションは
10時から11時までだな?と納得させられるが、お昼の一時を頂上で…と考えるのか
本当に多くの登山者が頂上目指して登って来るのだ。

なんやかんやで道を譲りながら一気に下山だ。
本当は大長山も登るつもりだったが、余りのロケーションの素晴らしさにゆっくりし過ぎて
H氏も自分も十分満足で、後は福井の美味しい蕎麦と温泉目的に切り替えて
朝とは大違いの満車状態の駐車場には1時前に到着した。

下山後のお風呂は水芭蕉、蕎麦は大野の福そば。
紅葉のタイミングは少し遅かったようだが、
素晴らしい白山の展望に大満足で身も心も満腹の楽しい山行でした。


大長山遭難事故についての記事
大学ワンゲル部、福井石川県境、大長山(16
71m)で進退不能、救助要請。
04年2月7日
7日午後1時50分ごろ、福井県勝山市と石川県白峰村境の大長山(おおち
ょうさん)(1671メートル)で、大学のワンダーフォーゲル部の男子学
生14人(1~3年生)のパーティーが「下山できないでいる」と、学生か
らの救助を求める無線を受信した福井市の男性が110番通報した。
雪洞を掘ってビバーク中で、うち1人が手足の指が凍傷、もう1人が低体温
状態だという。
吹雪のため7日は救助できず、天候の回復を待って8日に救助する方針。 
14人は今月3日、スキーの訓練のため勝山市北谷町谷の東山いこいの森か
ら取立山(1307メートル)に入山。大長山などを経由して6~10日に
同市内へ下山する予定だった。大長山頂から約100メートル下りた地点で
ビバークし、食料はなくなったという。
対策本部は、福井県知事の要請で出動する航空自衛隊のヘリ、同県の防災ヘ
リなどで14人を救助する計画で、凍傷などの2人は福井大医学部付属病院
へ搬送する。 
部員たちはアマチュア無線で連絡がとれる状態で、救助を待っている。
(毎日新聞2月7日より)

2月4日の立春のころから強い寒気が連続して南下し、里雪型で北陸地方に
大雪に対する注意が呼びかけられていました。
こんな時期には高山に入山する人はいないだろうと思っていたら遭難のニュ
ースが入って来て驚きました。
その後、悪天候で遅れましたが、全員無事に救助され「低体温症」「凍傷」
も軽く済みほっとしました。


大長山とは、そんな事があった山でした

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